本書では性格の異なる「2匹のネズミ」と「2人の小人」がチーズを探しにいく物語に沿って人生でとても大切なことを教えてくれます。
あらすじ(ネタバレを含みます。)
先述の通り、性格の異なる2組、「2匹のネズミ」と「2人の小人」が、食料にするため、そして幸せになるために、迷路の中にチーズを探しにいく物語です。
ネズミチームの「スニッフ」と「スカリー」は単純な頭脳ですが、優れた本能を持っており、考えるよりもまず行動する性格です。
一方、小人チームの「ヘム」と「ホー」は、物事を慎重に考える性格で、特にヘムは、特段慎重で、変化を認められない性格です。ホーはこの物語の主人公で、怖がりで臆病者ですが、変化しないといけないことを理解しています。
ある日、大量にチーズが置いてある場所、「チーズステーションC」にたどり着きます。
その後「チーズステーションC」にいくのが日課になるのですが、ネズミチームは、変わらず早起きして、「チーズステーションC」にいき、その先の迷路の探索を続けています。
一方、小人チームは、現状に満足し、のんびり行動し、「チーズステーションC」に入り浸ります。
そしてある日、事件は起こります。
朝早くに行動しているネズミチームが「チーズステーションC」にいくと、チーズがなくなってしまっていました。彼らは事態の分析をせず、すぐに迷路の探索に向かいました。
問題も答えもはっきりしていたからです。
「チーズステーションC」の状況は変わった。そのため、自分たちも変わることにしたのです。
同じ日、小人チームはいつも通りチーズがあると思っており、のんびりと「チーズステーションC」にやってきました。そしてなくなったチーズの状況を見て、驚き、大声でわめいてこう言いました。
「チーズはどこへ消えた?」
物語の“チーズ”と“迷路”は、
私たちの人生そのもの。
この物語のキーワードであるチーズや迷路、キャラクターは、私たちの人生に照らし合わせて読むと人生において大切なことを学ぶことができます。
チーズ = “人生で求めているもの、手に入れたいもの”。
迷路 = 求めているものがある場所、環境”。
キャラクターはあなた自身です。
本書を読んで感じたこと
私がこの本を読み、感じたことは『変化は怖い、でも変化よりも怖いのは現状維持である』ということです。例えば新しい事業を始める、夢のために起業するなど、挑戦することはとても勇気がいることです。
私自身も現状に満足しておらず、自分が熱中できることを仕事にしたい!と思うものの、変化することの恐怖に負け、なにかと理由をつけて、行動に移せないことが当たり前でした。分かってはいるものの、結果、現状維持になっている毎日でした。
でも本書のように、最初の一歩を踏み出すことにより、恐怖は消えました。そして変化を恐れた現状維持は、何よりも自分の成長を妨げる要因になっていたのだと気づいたのです。それこそが一番怖いことだと気づきました。
本書は、弱さや未熟さを抱えた等身大の自分をキャラクターに置き換え、非常にわかりやすく自分ゴト化できるのが、最大の特徴かと思います。
ぜひ本書を手に取り、お読みいただければと思います。