前作「チーズはどこへ消えた」のあらすじ
暗がりや袋小路があちこちにある危険な迷路に、チーズを探しにいく物語、前作の「チーズはどこへ消えた?」ですが、登場する臆病で慎重な2人の小人ホーとヘムは物語が進むにつれ、行動の違いが顕著に出てきます。ホーは、考えを改め、変化しないといけないことを理解し、行動することによって大きく成長をしていきました。
一方、特段慎重で、変化を認められないヘムは、『危険な迷路にいくのは馬鹿げている。チーズはここにたくさんあったんだから、絶対また現れるはずだ』と自分の思考=信念を絶対に変えようとせず、元々大量にチーズがあったが、今ではひとかけらもないチーズステーションCにとどまることを選びました。そして物語はここで終了します。
今作の『迷路の外には何がある?』はヘムのその後の物語が書かれています。
当書に書かれている一番大切なことは、
変化に応じて、信念は選べる
皆さんは信念とは何か、考えたことがありますか?
私は『自分の頭で考えて、それを信じぬくこと、守り抜くこと』が信念だと思い生きてきました。改めて辞書で調べると『それが正しいと堅く信じ込んでいる心』とあります。信念には人生を変えるほどの大きなパワーがあることは言うまでもないと思いますが、実は足を引っ張っている信念もあるとしたらどう思いますか?
迷路の外には何がある? / 50ページより引用
あなたの足を引っ張る信念がある
あなたを向上させる信念もある
自分が正しいと信じていた考え方が、自分の行動を制限し、枠にとらわれてしまうことがあると書かれています。有名な豪華客船タイタニックですが、誰もがこの船を「不沈船」と信じていた結果、十分な救命ボートを積み込む手間を省き、1,500人以上の死者が出ました。全員がこの船を絶対に沈まない船と信じていたために、最悪の事態が起こるなど想像にもしていなかったのです。
迷路の外には何がある? / 52ページより引用
あなたは考えを変えることができる
新しい信念を選び取ることができる
変化に対して、正しい信念を人は選ぶことができると書いてあります。
自分の目を通したあるがままの見方ではなく、客観的に色々な視点から物事を考えることによって、主人公のヘムは成長していくのです。
最後に
信念を正しく変化させることは、ビジネスだけではなく、日々の生活においてもおおきなプラスに働くのではないでしょうか。私は学生時代、あることをきっかけに、父を嫌い、10年以上会話がないことがありました。心に空虚さはありつつも、それが正しいと信じていました。
大人になって、月並みな言葉ですが、親のありがたみを知り、向き合うことによって、今では大好きになりました。信念を変化させることにより、人間関係が向上した一つの例ですが、みなさんの人生のプラスになる良書かと思いますので、ぜひ手に取り、お読みいただければと思います。