「初対面の人と何を話せばいいのか分からない…。」
「すぐに話が途切れて会話が続かない…。」
「沈黙の時間が怖い…。」
『話し方』に関する本が世の中に溢れていることを鑑みても、『話し方』に悩みを持っている方は多いのではないでしょうか?私自身、「もっと人とうまく話せるようになりたい」と思っている内の1人です。
そんな方に今回ご紹介する本が、株式会社人材育成JAPAN 代表取締役 永松 茂久著の『人は話し方が9割』という一冊です。
本書は、ビジネスシーンにおける話し方(プレゼンテーションや商談等)を学ぶ本ではなく、上司や家族、友人といった、より身近な人とのコミュニケーションを円滑にする方法が書かれています。
日常的な場面でのコミュニケーションが人生の大部分を占めている中、日常生活のコミュニケーションがうまくいくことで、人生が豊かになることを教えてくれる本書。まずはデータから。
人は話し方が9割 / 5ページより引用
会話がうまくなる方法、それは
「苦手な人との会話を避け、大好きな人と話す時間を増やす。」
これだけです。
人前で話したとき、急に頭が真っ白になってしまったり、何を言ってるかわからない、と言われて自信をなくしたりすることで、”自分は話すのが苦手”と思い込んでしまうと『自己肯定感が失われる状態』になります。これを『自己否定感』と呼ぶそうです。
無理に苦手な人と話をして、自己否定感を持つ機会を増やすよりも、大好きな人との『否定のない空間』で自分をラクに肯定できれば、確実に話は上手くなっていくそうです。
それでは本書の中で、3つの内容を厳選して紹介していきます。
人は自分に深い関心を寄せてくれる人を好きになる
コミュニケーションの達人だけが知っている三大原則が書かれています。
①「人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である」
②「本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している」
③「人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる」
皆さんが集合写真で真っ先に見るのは、自分の顔ですよね。つまり人は、自分に一番興味がある生き物ですが、一番興味がある「相手自身」を主役にすれば自然に相手の感情は高まり、「自分を主役にしてくれるあなた自身のことを好きになる」という心理が働くそうです。
私は好きな言葉で、『人間に耳が2つ、口が1つある理由は、自分が喋る2倍相手の話を聞くため』という言葉があるのですが、相手を主役にできる器量が大切かと思います。
『あなた』を多用して、自分のファンを作る
人と会話をするときに『あなた』を多用する、この言葉を使えば使うほど、人に好かれると書かれています。
誰もが心の底では自分のことが大好きなので、話の中で自分を話の主役にしてくれる人は誰からも好かれます。例えば「あなたといると楽しいよ」「あなたみたいになりたいってみんないってるよ」など、相手軸の話し方をする人を、不愉快に思う人はいません。
私自身も自分の言葉の中に、「あなた」が多いか、「私」が多いかを日頃から意識していきたいと感じています。
失敗談は人の共感を生み出す
楽しく相手とコミュニケーションを取りたいと思った時に必ず使えるネタが『失敗談』と書かれています。
自分をさらけ出して失敗を笑いに変えることで、人は大きな安心感を覚え、共感を生み出すことができるとのことです。更に自分の失敗ネタをリスト化することを本書では強く推奨しております。
失敗は悔しい気持ちや、自己否定感を持つきっかけになりがちですが、上記のようにネタにすることで人とのコミュニケーションに役立つとのことです。
私も数えきれないくらいの失敗をしてきましたが、今思うと全てが笑い話です。
これからもたくさん失敗することはあると思いますが、それすらも自己開示をして、たくさんの方と有意義なコミュニケーションを取っていきたいと強く思っています。
最後に
本書を通じて、特に学べたポイントを私なりに噛み砕くと、『相手』を理解することの重要性です。
相手を理解しようとすること自体が、良質なコミュニケーションの本質なのではないでしょうか?
本書はコミュニケーションに悩む全ての人にご一読いただきたい一冊です。
特にビジネスパーソンの方は、コミュニケーションの重要性を理解しているからこそ、
普段の自分の話し方と照らし合わせができるツールとしても活用できるかと思います。