book marks MAGAZINEのメインコンテンツ『“あの人”のおすすめ本』第一弾。
第一弾は、プロモーション領域で活躍されている株式会社causeの小林竜太社長におすすめ本をインタビューしました。まずは小林社長のプロフィールからご紹介します。
◯氏名 :小林 竜太
◯会社名:株式会社cause
◯役職 :代表取締役
◯経歴 :
・マガシーク株式会社(ファッション通販サイト)に新卒社員として就職。
・フリーランスでインフルエンサーキャスティングを経験。
・ネクスター株式会社で学生マーケティングの営業を担当。
・株式会社エードットにてプロモーション事業を中心に営業企画を担当(同社で上場を経験)
・2019年に独立し、株式会社causeを設立。
独立のきっかけは家族ができたこと
—まずはじめに、現在の事業内容を教えてください。
小林社長 広告代理業・プロモーションを中心としてクライアント様に提案をしており、課題解決のプロモーション企画から芸能キャスティング、SNSやデジタル・イベントなど全般的な領域を手がけています。また自社を中心として各プロジェクトに特化したパートナー企業や、フリーランスの方をプロジェクトメンバーにアサインし、ハイパフォーマンスな仕事ができるよう工夫しています。
—ありがとうございます。それでは独立されたきっかけを教えてください。
小林社長 元々、父親が会社経営をしていたこともあり、高校生くらいから自然と独立思考はありました。一番の決め手となったのは結婚したことだと思います。営業としてある程度の稼ぎを担保できる自信もあり、お金を稼ぎたいのはもちろん、「家族との時間を大切にしたい」、「ある程度自由な時間を持ちたい」といった気持ちがあり、自分や家族を幸せにしたいと思った時、最善な選択が独立でした。ありがたいことに奥さんや周りの友人も背中を押してくれたことが起業につながったと思います。
幸福度を高めるお金の使い方を学びたかった
—奥様の存在の大きさが凄く伝わってきます。それでは小林社長のおすすめ本を教えてください。
小林社長 はい。僕が紹介するおすすめ本はエリザベス・ダン (著),マイケル・ノートン (著),古川 奈々子 (翻訳)の『「幸せをお金で買う」5つの授業』です。
—ご紹介ありがとうございます。この本に出会ったきっかけはなんですか?
小林社長 私自身、自分の幸福度を高めるために起業を決意したのですが、独立するタイミングで、メンタリストのDaiGoさんがYouTubeで本書を紹介しており、幸福度を高めるお金の使い方を学びたかった自分に響いたのが購入のきっかけです。
—幸福度を高めることは、ある意味人生のゴールですもんね。おすすめポイントはどこでしょうか?
小林社長 様々な研究データを元に幸福度を上げる5つのポイントが書かれてますので、自分の経験も踏まえて、簡単に紹介したいと思います。
—ありがとうございます。それではポイント①をお願いします。
小林社長 ポイント①は『経験を買う』ことです。
モノを買うよりも、経験を買った方が満足度が上がると書いてあります。例えば高い時計を買った瞬間はテンションがすごく上がり、満足度も高いですが、1年経てば普通になってしまいますよね。
モノを買うことは、時間経過とともに満足度が下がってしまうんです。逆に経験を買うことは、時間経過とともに満足度が必ず上がると書かれてます。僕は、奥さんへのプロポーズ旅行は最高の買い物だったと思っていて、あの時、二人で見たオーシャンビューの夕陽や、指輪を渡した時の緊張した思い出など、“経験”は時間が経つほど、良い思い出となり、満足度が上がっていきます。
苦しい思い出も、時間が経てば笑い話になりますよね?それに自分で経験したことは、人と話すネタにもなり、話題が多いほど、相手におもしろいと思ってもらえます。そうすることで人間味が増していき、魅力的な人になれると思っています。
そうやって人間関係の輪を広げて、たくさんの経験をして、幸福度を上げていきたい。僕は、モノに投資するよりも奥さんとの旅行や仲間とのアウトドアなど、経験にお金をどんどん投資していきたいと思っています。
—まさに、人生は思い出作りですね。それではポイント②をお願いします。
小林社長 ポイント②は『ご褒美にする』ことです。
僕はデロンギで作るカフェラテを、自分のご褒美にしているんですけど、ご褒美を毎日のルーティンにしてしまうとそれが当たり前になってきてしまいますよね。
例えば午後の一息つくタイミングで1日1回飲めると決めたり、平日仕事を頑張ったご褒美として土日に飲めると決めてしまうことで、満足度が高くなってくると書いてあります。自分へのご褒美を作る工夫が、満足度に関係してくることが分かりました。
—ありがとうございます。次にポイント③をお願いします。
小林社長 ポイント③は『時間を買う』ことです。
この本では、1時間の通勤にかかるストレスは、失業した時と同じくらいの幸福度の下がり方をすると書かれていました。
例えば、オフィスの近くに引越しをしたり、家事代行を頼んで部屋の掃除をお願いしたり、自分の時間を買うことはすごく大事だなと思っています。僕の場合、税理士さんなどバックオフィスの領域は全てお任せするなど、時間に余裕を持てる工夫をしています。必要なことは外注する癖をつけ、時間を買って、幸福度をあげたいと考えています。
—私も通勤時間が1時間だったとき、最悪の気分でした。それではポイント④をお願いします。
小林社長 ポイント④は『先に払って後に消費する』ことです。
人がお金を消費するときと、部屋を歩いて足の小指をぶつけたときの痛みは、脳の感じ方が似てると言われていて、さらに後払いよりも先払いの方が幸福度が高いとデータで書かれてました。
本書によると、先に払って後に消費することによって、私たちは将来のことを考えられるようになり、自身の幸福のために賢い采配を振るえるようになるとも書かれており、カードではなく現金で食料品の代金を支払うときには、桃やグラノーラなど健康的なものをかごに入れる傾向もあるそうです。
私自身も、クレジットカードは全て解約し、逐一決済できるデビッドカードに変えました。
—後払いだと勢いで買って後悔することも多いですよね。笑 最後にポイント⑤をお願いします。
小林社長 ポイント⑤は『他人に消費する』ことです。
お金を稼ぐのと同じくらい、他人にお金を使うことは幸福度が高いといわれています。
本書ではチャリティーに募金するのと、所得が2倍になることは同等の幸福度であると研究データを元に書かれていました。少額でも良いので他人のために使うことで、幸福度が爆上がりするんです。
逆に、ケチなことをした時に人の脳は『コルチゾール』というストレスホルモンが出て、これがずっと高いままだと心臓病など、健康面にも影響を及ぼすみたいなんです。
他にも社員や他人への投資を奨励する会社は、業績も向上したと書かれていました。僕自身も弊社の社員も、自分よりも他人に投資することによって、お金に惑わされない人間になりたいと思っています。
稼ぐのは当たり前で、他人への投資や時間の使い方を工夫して、
より人間味のある人になっていきたい
—本書を読み、仕事に活かせていることはありますか?
小林社長 自由な時間が増えるほど幸福度が上がるので、今は社員に対しても金曜の17時くらいになったら、早めに切り上げさせてます。プライベートが充実することによって、本人の幸福度も上がりますからね。
人へのお金の消費は幸福度が圧倒的に高まると話しましたが、海外の会社によくあることで『人のために使う現金』をボーナスとして払っている事例もあります。実際に僕も、地方に実家がある社員のお母さんの誕生日時に飛行機代を支給してあげたのですが、社員自身がポジティブな発信をいろんな人にしていて、すごく喜んでいました。
—すごく素敵なお話ですね、他にも活かせていることはありますか?
小林社長 はい。自分の仕事が他人に良い影響を与えている実感があると、心の疲労を感じることなく、幸福度が高い状態で仕事に取り組めます。これからも誰かに良い影響を与える仕事をしていきたいです。
某案件の話になりますが、コロナの影響で卒業式がなくなって悲しんでいる学生がたくさんいる中で、学生に対してその世代が好きそうなアイドルからデジタル上で卒業証書がもらえる企画を実施しました。某アイドルが抽選で当たった学生たちの名前をWEB動画上で読み上げていき、実際に卒業証書(手紙やサイン、商品)が贈られる企画です。このように誰かのためになる仕事をすると、家族や仲間にもハッピーな報告ができて、幸福度が上がると考えています。
—長時間のインタビューありがとうございました。最後にこの本をどのような方に勧めたいですか?
小林社長 僕は自分の周りの大切な人たちを幸せにしたいと思って起業をしていますが、他人に投資することが稼ぐのと同じくらい幸福度が高いのであれば、稼ぐのは当たり前で、他人への投資や時間の使い方を工夫してより人間味のある人になっていきたいと思える本でした。これから起業を考えられている方や、ある程度キャリアを積んで給料をもらっている人、稼ぐことに対しての意識が高い方にはすごく響く本だと思っています。
—小林社長ありがとうございました。
最後に
第一弾は、株式会社cause代表取締役の小林竜太社長にお話を伺いました。
お金を稼ぐことだけではなく、どうすれば幸福になれるか?という人生にとって大切なことをいくつも教えてもらえた気がしています。小林社長も人間味を持った魅力的な人間になりたいと強く仰っていたのが印象的でした。起業を目指している方や、稼ぐことに対して強い想いを持っている方に、非常におすすめの本となっておりますので、是非本書をご一読ください。
小林竜太社長とbookmarks運営にて