プレゼンが上手くなる本

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プレゼンを必要とする仕事をされている方は、自分のプレゼン能力に自信はあるだろうか?
自信がある!と胸を張って言える人は稀有ではないだろうか。
いざプレゼンとなると頭が真っ白になってしまって何を話せばいいかわからなくなってしまう方ある程度プレゼン経験はあるものの、もっと磨きをかけたいという方、社内での上申の際にうまく伝えることができないという方などコミュニケーションが必要なビジネスパーソンにとっては非常にためになる書籍、『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』を紹介する。
本書はヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長であり株式会社ウェイウェイ代表取締役の伊藤羊一氏による著書である。

まずは当書のデータから。

私自身、広告関係の仕事をしていることから、正直胸を張って得意と言えるものではないもののプレゼンが必要な場面はしばしばある。そんな私だが、本書を読んで「プレゼンの目的は人を動かすこと」という考えには非常に感銘を受けた。今回は本書に書かれているプレゼンの極意とも言える考えやテクニックをかいつまみ、絵図を用いてお伝えしたい。

本書で得れるのは以下の内容。

プレゼンで人を動かす力

プレゼンをするとき、「うまく話そう」だったり「伝えることをゴール」に考えてプレゼンをしていないだろうか。たしかにTEDのように雄弁にプレゼンができるのは格好いいし憧れもある。しかしプレゼンの本来のゴールは『人を動かすこと』にある。そんな「人を動かすプレゼン力」を得るためのテクニックを本書中の内容をもとにして4つに分類してお伝えする。


プレゼン相手はこちらの話を聞いていない。

本書のタイトルでもある『1分で話せ』。少し誇張も含まれる表現ではあるが、要は「短く簡潔に話す」ことが必要という考えだ。『プレゼン相手はこちらの話を80%聞いておらず、どれだけ完璧なプレゼンをしても100%伝わることはない』というのをプレゼンの前認識としてもっておく。




プレゼン相手とゴールの明確化

誰に何をどうしてもらいたいか、以下のようにプレゼン相手の立場や興味、自分に何を求めているのかを具体的にイメージして、その上でプレゼンのゴールは何かを明確化。プレゼン相手を具体的にイメージする際は頭の中で相手の反応を想像しながら、話す内容や話し方を考えていく。
プレゼン相手をイメージできたら次はゴールを明確化する。ゴールは決して「理解をしてもらうこと」でも「うまく話すこと」でもない。プレゼンを聞いてもらった上でどのように動いてもらいたいのかをゴールとして設定する。




左脳(ロジカル)と右脳(イメージ)に働きかける

左脳に働きかけるロジカルな話をするために必要なのは「結論」と「根拠」だ。
結論は1つになるが、根拠は複数あり、3つ(以上)の根拠があるとより説得力のある話になるとあった。以下左図のように結論を上に、根拠を下に並べていき、ピラミッドを作る。このピラミッドがしっかり組めてさえいれば、話がスリム化され、相手に伝わりやすくなる。もちろん結論と根拠は意味が繋がっている必要がある。
ここまでが左脳に働きかける方法だが、それだけは人を動かすことはできない。
人を動かすためには、さらに右図のように聞き手の想像力をかき立て、頭の中にイメージを作らせるために右脳に働きかけることが必要だ。一番わかりやすいのは言葉だけではなく、ビジュアルで見せることだ。ビジュアルの用意が難しい場合は聞き手がイメージの中に「例え話」を織り交ぜるなど聞き手が想像をしてイメージの中に入り込めるように工夫することで可能となる。
このようにロジカルに左脳を、イメージで右脳に働きかけることで聞き手を動かすことが可能となる。




必殺!超一言

冒頭でお伝えしたようにプレゼンの聞き手は80%話を聞いていないため、相手に対して全てを伝えきることは諦め、代わりに覚えやすくその一言だけでプレゼン全体を包み込めるようなキャッチーな言葉、『超一言』を用意してそれをあわせて伝えることで驚くほど相手の記憶に残すことができるとあった。



ご紹介した4つをまとめると
『下準備としてプレゼン相手は話を聞いていないことを念頭に入れて、プレゼン相手とゴールを明確化にし、プレゼン時は左脳と右脳に働きかけることと必殺!超一言を織り交ぜること』が“人を動かすプレゼン”をするための大まかな要素だ。




最後に

本書はHOW TO本のような構成になっており、各章ごとに図を用いてわかりやすく紹介されているため理解もしやすいのが特徴だ。今回は4つに分けて紹介したが、本書では7章に分解して説明されている。
プレゼンだけではなく、コミュニケーション全般に通づるため、ビジネスパーソンであれば、様々な場面で活かすことができるはずだ。ぜひ本書を手に取り、仕事の中で“人を動かす力”を磨いてみてはいかがだろうか。